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事務局長しんのエデュケーションコラム


2017年7月
 山賊キャンプいよいよスタート!「無」から「有」に変わる体験

 2017年の山賊キャンプがはじまりました。
 キャンプの暮らしはこどもにとって全てが新しい世界へのチャレンジです。つまりこれまで「無」かった経験から「有」になる場所です。
 この「無」か「有」か、0か1かは、とても大きな違いです。そもそも0の経験から何かを生み出すことはとても難しいものです。
 例えばマッチを初めて見る子に、マッチはどうすれば火がつくかを考えろというのはナンセンスです。あるいは料理をしたことが無い子に、「メニューを考えろ」というのも同じこと。でも一度でも経験すれば、そこを起点に想像や知恵、工夫へと広がっていきます。1の体験は2にも、3にもなるのです。
 こども同士の関係もそうです。初めての友達と仲良くなる方法も、ケンカを仲直りする方法も正解はなく、どうしたらいいかわからないことはたくさんあります。それでも周りのこどもたちの姿を見たり、きっかけをもらって、「こうすればいいんだ」という1を積み重ねていきます。
 遊びも暮らしも、人との関わりも、経験があってこそ広がります。キャンプで出会うたくさんの「初めて」はこどもたちの未来の可能性につながるのです。
 
 こどもも大人も正解を求められていると感じる現代社会。キャンプに来るこどもやボランティアも、「間違ってはいけない」という不自由さを感じます。「楽しまなければならない」「こどもが笑顔でなければならない」とぼんやりとした正解を求めるよりも、どんな経験も価値あるものだと思ってもらうことこそ、大切なのではないでしょうか。
 私もキャンプの現場に立ちます。私が山賊キャンプで一番持ち帰ってもらいたい経験は、「失敗してもいいんだ」ということ。失敗して良ければ、どんなことも前向きに積極的に行動できるココロを育て、その行動は、次の新しい「有」の経験につながるからです。
 今年もこどもたちが存分にチャレンジし、たくさんの失敗ができる場を、山賊キャンプでは創り上げていきます。応援よろしくお願いいたします。
 





2017年6月
 話題の映画「みんなの学校」を観て

 先日、村内の自主上映会で「みんなの学校」を拝見しました。以下、HPより映画の紹介です。
 「大阪のある小学校では、特別支援教育の対象となる発達障害がある子も、自分の気持ちをうまくコントロールできない子も、みんな同じ教室で学びます。ふつうの公立小学校ですが、開校から6年間、児童と教職員だけでなく、保護者や地域の人もいっしょになって、誰もが通い続けることができる学校を作りあげてきました(一部抜粋)」
 映画終了後、この映画に出演されている校長先生の講演会がありました。そこで語られた言葉を紹介します。
 「大空小学校で大切にしていることはたったひとつ。障害があるなしに関わらず、こどもたち一人一人の学習権を保証すること。」
 これはどの学校も「当たり前」のことです。誰もこの言葉に反対意見を出すことはないでしょう。しかし、「当たり前」に支援が必要な子とそうでない子は分けられています。「障害のあるなしに関わらず、一緒に学ぶ場」を作り、それが「お互いの学びとなる」場にすることは、理想としながらも実現することは大変です。簡単なことほど難しいのです。
 「みんなの学校」が本当にすごいのは、そこに向って先生も地域もこどもたちもみんなが行動し続けていることだと感じました。

 現代社会では「結果がすべて」という雰囲気が蔓延しています。政治も仕事も結果のみが優先されています。違う価値観を理解しあうため、あるいはより良い答えを出すためには、「理解し合おうという過程」つまり時間や対話が必要なはずです。分かり合おうという姿勢すら見られないことに、非常な苛立ちを覚えます。
 しかしこの映画は、「大切なことは、目指すものに向って行動し続けること、うまくいかなくても、立ち向かう覚悟が持っていれば実現できる」ことを訴えているように感じました。何か特別な力を持っていなくても、求める社会づくりができるのです。日々悩むことも多いですが、改めて自分自身を振り返ろうと思った映画でした。





2017年5月
 一人一票の覚悟

 グリーンウッドには職場のオキテがあります。それは「一人一票の覚悟を持つ」というものです。32年目を迎えるグリーンウッドは、創立メンバーから今年が1年目のものまで、20代から60代の様々なスタッフがいます。これまで団体が育つにつれてできあがった風土や考え方、不文律は当然あり、他の会社では絶対できないであろう先進的な働き方もグリーンウッドにはありますが、スタッフが変われば馴染まないものや、時代に合わないものも当然出てきます。そこで「働きやすい職場にするためのオキテをつくる」全員参加のワークショップをして出来上がったのが、このオキテです。
ここには次の文言が付記されます。
  • 一票を投じるのは意見を言うことではない。自分のあり方を問うことだ。
  • 人の話しを聞き入れよう。それは自分への問いかけだ。
  • 率直に言う。素直に聞く。それが信頼関係を生むのだ。
 生まれも育った環境も違う人が集まって会社は作られます。元々ある風土や考え方にあわせる「郷に入れば郷に従え」という考えを否定しませんが、やはり組織ありきではなく、構成する人々が幸せにならなければ意味がないのではとも思います。今回作ったオキテが素晴らしいかどうかはさておき、全員でこのオキテを創り上げたこと、そしてその言葉が、「一人ひとりが役職に関係なく等しく一票を持つこと。そしてその覚悟を持つこと。一人ひとりを大切にすること。」というものであったのは、とても象徴的であったなと感じています。
 会社も、地域も、村も、国も、「人」が集まって構成されます。そもそも集団ができて、ルールができるはずが、今はそのルールにはまらないと枠からはじき出される、そんな空気を感じます。一個の自律した人を育て、それが成熟した集団になれば幸せな社会に近づくはずです。まずは足元の自分の職場から挑戦していきます。





2017年4月
 ピザ小屋建設と分断の社会、そしてだいだらぼっち

 だいだらぼっちにはピザ窯があります。これは2007年にいただいだらぼっちのこどもたちと一緒に作りました。屋根も作るはずだったのですが、その年はピザ窯だけで精いっぱい。こどもたちの想いを引き継ぎ、次の年に作るから任せろ!と言って早10年。ずっと心残りだった屋根がとうとう完成しました。
 だいだらぼっちの相談員としてのプライドもあり、せっかく作るのだからホームセンターや材木屋から材を買うのはカッコ悪い、あんじゃねの森(元学校林で、事業で利用している遊び場の森)の木を使い、知り合いの大工さんに協力してもらって、自分たちの力で建設しようということになりました。
 20本近くのヒノキをチェーンソーで伐倒。4〜5mの長さに切った丸太を山の下から滑車を使って人力で引っ張り出す。設計図、墨入れ(材にホゾ穴や切る所に線を入れること)は大工さんに指導されながら私がやって、関わった全員でノコギリ、ノミ、丸鋸、カンナを使って、材を仕上げ、建設に関わる製材以外の作業は、ほぼ全てをやりました。
 終わっての感想は、一言「感動」です。これまで木でスプーンやイスを作ったことはありますが、小屋という構造物を作るのは初めてですし、なにより「無」から何かを生み出すというのは、ものすごい発見と喜びがありました。
 
 先日ある大学の先生から聞いた話です。こどもが全速力で走ると、その分、体力の底上げがされる。常に使う力はその6〜8割くらいだから、その全速力で走る、全力を出し切る、限界までやるということが自分の能力を高めることという話しです。
 これは体験も同じことが言えます。自分の知らないことにチャレンジすると視野が広がり、世界にあるいろいろなものに興味や関心を持つ「入り口」が増えます。自ずとそれはまた新たな社会とのつながりになったり、世界にある様々なものを想像するきっかけにもなります。今回の小屋建設で言えば、大工仕事の知識や林業の難しさばかりでなく、職人の技術の凄さや人がこれまで培ってきた知恵や技術への尊敬、寺社仏閣の見方に至るまで興味や世界は広がりました。一方で、行動が興味の範囲だけに閉じこもっていると、自分の世界は閉じてしまいます。

 32年目の「暮らしの学校だいだらぼっち」が始まりました。自分でご飯を作ること、洗濯することからはじまり、薪でお風呂を焚いたり、その薪を山から持って来たり。異年齢の仲間ができたり、その中に気の合わないのがいたり。こどもたちの世界は、興味や関心からでなく、「暮らす」という必然の中で確実に広がっていきます。
 分断が進みつつある現代社会において、この取り組みは社会づくりの大切なヒントが隠されているように感じます。そんな視点でまた今年もコラムを書き続けていければ。今年もよろしくお願いいたします。








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