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代表だいちのGREENWOODコラム


2016年9月26日
「考えることをあきらめてはいけない 〜学生諸君、現状から一歩出よう!〜」


 今日から立教大学で後期授業が始まった。「自然と人間の共生」という授業。自然と人間の関係性がどうあるべきかを「考える」のがこの授業の目標だ。その達成のための教材として、泰阜村での自然と向き合う人々の暮らしや、その暮らしを土台にした教育活動を紹介する。
 後期は新座キャンパス。秋学期もまた履修学生が300名までふくれあがった。教室は超満員。ちょっと圧倒された。そんなに人気があるのかな、この授業が。
 学生さんに「なぜこの授業を履修したのか?」という理由をリアクションペーパーに記入してもらった。「ちょうどこの時間が空いていた」「単位を取りやすいと先輩から聞いた」正直に書いていいよと言ったが、本当に正直な学生だ。なるほど、人数が多いわけだ。
 一方で次のような理由も多かった。「シラバスでの授業内容を見て、ヒトメボレしました」「往復10時間もかけて講義をしに来るという驚きと、そんな先生がやる講義は面白そうだったから」「片道で何時間もかけて新座まで足を運んでいるということを聞いて衝撃を受け、「受けたい!」「会ってみたい!」と単純ですが思ったからです」
そりゃそうだよな、私が学生でも、そんな先生に興味を持つと想う。ワクワク感が、学生を衝き動かしたのかもしれない。
 そして次のような理由もあった。「私は自然が正直嫌いです。なぜ山奥に住むのか理解できません。なので、全く知らない山村の暮らしに興味を持ちました」「自分が地方出身ということもあり、自然に興味があった。自然とのかかわり方を知りたい」「最近は、災害により自然の恐ろしさを知った。今後自分が自然とどう向き合うか、良い機会になると思ったから」
 年を追うごとに、若い世代が持つ「自然観」が脆弱になるのを感じる。東日本大震災はおろか、熊本地震さえも、支援やボランティアの熱は冷め、いつの間にか報道も少なくなってしまった。自然災害から学ぶことは多いが、やはり若い力が今後の社会について想いを巡らせ、知恵を絞り、考え抜くことが大事だと想うのだ。一度も被災地に足を運んでない学生がほとんだが、そんな学生でも考えることはすぐできる。
 「一方的に教え込まれる授業ではなく、考えることを大事にする授業内容だから」こんな理由も多く見受けられた。そう、考えよう。今後、自然と人間の関係がどうあるべきなのかを。現状から一歩出よう。考えることをあきらめてはいけない。
 「教室内が良い環境に包まれていたと感じました」授業後の感想は、考えることで場があたたまることを感じた言葉が並んだ。さあ、300名の若い力と、毎週毎週、未来について考えようと想う。
代表 辻だいち

 代表 辻だいち




2016年8月30日
「想い通りにならないことを楽しむ 〜そのセンスが平和を創る〜」


 8月30日。「信州こども山賊キャンプ」が終わった。7月22日から、全国から約1,000人の子どもたちと300人の青年ボランティアが参加した。
 今年の山賊キャンプは3泊のコースから11泊のコースまで全26コースある。どのコースでも、参加している子どもたちは、それぞれの期間の自然体験・共同生活を通して、確実に自分自身の世界を広げることにチャレンジしている。
 コース開始当初は、バラバラに動き、仲間に思いやりを持てなかった子どもたち。なかなかうまくいかないことにイライラする。それは、子どもたちをサポートする青年ボランティアもそうだ。子どもたちの自主性をサポートするはずが、想い通りにならないことにイライラして、いつしか子どもたちを手のひらの中で扱おうとする。そんな自分自身に気がついて、悩むボランティアたち。まさに混沌とした時間が流れる。それがいいのだ。
自然と向き合う暮らしは、混沌としている。スッキリと整理されてしまったら、それは暮らしではない。混沌さこそ、パワーだ。混沌とした暮らしの中からこそ、社会を変える力が産み出される。それを証明するかのように、最終日のたった1日で子どもたちに大きな学びと成長があった。
 仲間の個性を認め合うこと、仲間と協力することの大切さやすばらしさを体感し始めたのだ。それに気づいているのは、きっと子ども自身だろう。青年ボランティアは想い通りにならない子どもたちに対して、どこか「子どもにはこんなたいへんなことは無理だ」「こどもにはこんな危ないことはやらせられない」と想っていたのかもしれない。この子どもたちには言っても言っても何も聞き入れてくれない、もしかしてこの子どもたちは成長できないのではないか、そんなことを想っていたのかもしれない。
 しかし子どもはもともと、「不便さを楽しむ力」や「危険をコントロールする力」を持っている。大人(青年ボランティア)が、それを信じることができるかどうか、だ。最終日、青年ボランティアは、子どもたちを信じた。こどもたちを信じたからこそ、こどもが成長したのだ。
 「大人から信頼されている」という実感。その実感が、子どもたちの質の高い満足を導く。そしてその質の高い満足感が、子どもたちを次の行動へと駆り立てるのだ。
 自然や人間関係や暮らし。そもそもそれらは不便で危険がつきまとうものだ。言葉を換えれば、「想い通りにならないもの」ということになる。想い通りにならないからといって、強引に、力に任せて、理不尽に、想い通りにしてしまうことは、愚の骨頂だ。でも戦争や紛争はそうして起こってきた。日々の様々な悲しい事件も、きっとそうして勃発している。
 「想い通りにならないもの」を楽しむ。このセンスこそ、これからの時代に必要なもののひとつだろう。山賊キャンプのこどもたちは、きっとこのセンスを培っている。この山賊キャンプに参加して、「想い通りにならないものを楽しむセンス」を培った子どもたちは、きっと戦争や紛争を起こさないだろうなと、半ば確信的な想いを持っている。少なくとも私はこれらのセンスを帯びた平和な世界をイメージして、子どもたちと山賊キャンプを行っている。
 ヒロシマ、ナガサキ、そして終戦。毎年めぐってくる8月に、子どもたちと山賊キャンプを開催できることを幸せに想う。

代表 辻だいち





 代表 辻だいち

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