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代表だいちのGREENWOODコラム


2009年06月28日
『より弱いものが犠牲になる』

 先週所用で沖縄に行ってきました。滞在中に時間を作り、沖縄県名護市の屋我地島にある愛楽園(国立療養所沖縄愛楽園)にも足を運びました。ハンセン病の療養所です。療養所といえば聞こえはいいのですが、要は差別政策により誕生した隔離施設です。
 12年前に、沖縄を初めて訪れた私が、一晩の宿を求めてひょんなことから転がり込んだのが愛楽園でした。朝まで一緒に飲んだ糸数宝善さんというおじいさんが、差別と戦う活動家だったということです。沖縄に行くと必ず、今も続く差別との闘いについて、勉強に伺っています。
 奇しくも22日はハンセン病「名誉回復と追悼の日」、翌日23日は沖縄戦慰霊の日でした。沖縄戦慰霊の日は、沖縄県の子どもたちは学校が休みです。公務員も休みということ。全県あげて慰霊をするということです。
 今回の沖縄滞在で改めて実感したことは、より弱い者が犠牲になるという戦争の本質でした。
 そして6月27日、私の息子達が通う泰阜南小学校の最後の音楽会がありました。最後というのは、来年4月に閉校されるからです。各学年3人〜10人程度の小さい規模の学校で、先生と児童が深く向き合って練習してきたのか、少人数とは思えない素晴らしい演奏の数々でした。会の最後に、児童と先生が「代々歌い継がれてきた」校歌を合奏したときに、不覚にも涙が頬をつたいました。
 暮らしの学校「だいだらぼっち」の子どもたちや自らの息子達を南小学校に預けてはきていますが、私は卒業生ではありません。なぜ涙がでるのでしょうか。
 人口2,000人を切り、国道も信号もコンビニもない泰阜村。満州開拓政策、植林政策、減反政策、自治体合併政策・・・、国策のしわ寄せもまた、より弱い者や弱い地域にたどり着きます。そもそもが貧しい上に、国策に常に翻弄され続けた小さな山村の住民が、こどもたちの未来のために教育の場を守り続けてきたその強く尊い意志に、私の心の琴線が触れたのだと想います。
 国が強くなろうとする時、危機的状況の時、常に犠牲になるのはより弱い者、マイノリティです。東京では、衆議院総選挙だ、政権交代だと、かまびすしいですね。声なき声、より弱い者の声、マイノリティの声は、果たして政治に届くのでしょうか。    (代表 辻だいち)




2009年06月16日
『学校評議員会 〜若い力と社会参画〜』

 今日、ある助成財団のスタッフが、NPOグリーンウッドに来ました。その財団が助成プログラムメニューに掲げる高校生の社会参画について、私と意見交換することが目的だということです。
 私は今年度、泰阜村の隣町阿南町にある小さな地域高校の学校評議員に委嘱されました。昨日15日には学校評議員会が開催され、この地に来て16年にして始めてその高校の門をくぐりました。登下校時に道幅一杯に広がって歩く高校生の姿は、地域住民からの評判を良くはしていないのですが、さてその高校生の授業を参観してみると・・・。
 関東、中京の各大学を講義してめぐってみて「おいおい」という授業態度を目の当たりにして、高校でも携帯電話をいじりまくっているのではないかと思っていただけに、高校生というのは予想外に授業をしっかり受けているんだな、という感想を持ちました。それでも他の評議員の皆さんの目には、高校生の授業態度はあまり良い印象に映らなかったらしく、辛口なコメントがたくさん出てきましたが。
 都市部ではない山村という立地にこの高校があります。高校生自身がこの地域高校で得た高等学力を、自分の娯楽などのためだけではなく、地域社会のためにいかせるかどうか。地域社会のためにいかせる場を、高校生と地域社会が一緒になって主体的に創造できるかどうか。
この高校生たちに、社会参画の機会と実感を与えることは、つまり泰阜村を含めた山村地域の教育力がためされていることに他なりません。高校生の溢れるパワーを地域社会にいかされることができれば、それによってここ山村が質的に豊かになっていく気がします。若い力に期待したいものです。(代表 辻だいち)




2009年05月04日
『10,000人の観光客より100人のファン』

 今年のゴールデンウィークも、NPOグリーンウッドはたくさんの人で賑わいました。毎年恒例となった暮らしの学校「だいだらぼっち」のゴールデンウィークの作業合宿です。暮らしの学校の子どもの家族や、卒業生など100人が集まって、みんなで間伐後の材木搬出を行いました。この材木は、NPOグリーンウッド敷地内にある「登り窯」の屋根架け替えの材料となります。
見方を変えれば、都市と山村の交流による循環型のライフスタイルの構築、そして間伐材の利活用を含む里山環境保全ということになるのですが。
 そんな難しいことはさておき、とにかく楽しい2泊3日となりました。高速道路低価格により引き起こされた激しい渋滞をかいくぐってきたにもかかわらず、快晴の下で、ひたすらに材木を運んだりする作業。でも、体が悲鳴をあげるほど働いて、胃袋がもたれる?ほどおいしいものを食べて、おなかがよじれるほどみんなで笑って、そして楽しい酒を飲む。労働力を持ち寄って、楽しい話題を持ち寄って、おいしいお酒を持ち寄って、もちろんそれぞれのストレスも持ち寄って。難しいことはしない。毎年思うことですが、こんなとってもシンプルなことが、楽しく幸せに思える3日間でした。
 泰阜村で暮らしの学校を始めて24年になります。私たちNPOグリーンウッドが願ってきたことは、10,000人の観光客を泰阜村に呼ぶことよりも、100人の泰阜村ファンを創ることでした。暮らしの学校は、20年間で約300人の卒業生を輩出しました(私たちはあまり卒業生という表現はしないのですが、こう表現するほうがわかりやすいので使います)。つまり300家族という泰阜村ファンを創り出したといえます。
その良質なファンが、今回の作業合宿のように山村の文化や村の人たちと継続的に交流することにより、泰阜村の持つ価値が浮かび上がりつつあります。そしてその価値を村民の皆さんが今、再評価しているのです。今回間伐させていただいた里山も、料理の食材となった野菜も、村の人たちが提供してくれたものでした。
暮らしの学校の卒業生らは全国、そして世界中に旅立っています。その際「行ってきます!」と言って、泰阜村を出て行きます。たまに村を訪れるときは「行ってきました(伊那谷の方言=ただいまの意味)」と帰ってきます。村民もまた「行ってらっしゃい」と送り出し、「お帰り」と迎えます。この関係こそが、良質な都市と山村の交流というものでしょう。
山村留学はこのようなファンを創る可能性を持っています。観光客獲得よりもファン創りを優先にする山村が、全国のあちこちで出てくれれば、日本ももっと良い方向に進むと思うのですが。(代表 辻だいち)




2009年04月15日
『幕を閉じゆく小学校の最後に』

 4月4日、地元泰阜村の泰阜南小学校で入学式がありました。私の末子の娘も入学を迎えました。いつもながらに来賓の数が入学生の数(6人)よりはるかに多い入学式は、まさしく「子は宝」を実感できる地域です。
 泰阜村には北小と南小の2つの小学校があります。この2つの小学校は、来年平成22年春に統合します。4日の入学式は、南小学校最後の入学式となりました。娘は最後の入学生です。4月から6年生となった長男もまた、南小学校最後の卒業生です。
 そして、同じく泰阜村に2つあった保育園が、この4月から事実上の統合となりました(正確には南保育園が休園)。娘は先月、同じく最後であろう卒園式でした。
 しょうがない、と自分に言い聞かせていることではありますが、日本全国で「小さな」地域や「小さな」学校などが、非効率・不合理の名のもとに、次々と切り捨てられていきます。それによって失ったものはなんだったのか、得られたものと失ったもののどちらにてんびんが傾いているのか、ということを、今まさに問い直す時代に来ていると感じます。泰阜村の人々は、この数年間、それに直面しているのです。
 最後の南小学校の1年間、長男は児童会の役員だそうで、かつてないほどはりきっています。私もPTAの役員となりました。閉校する南小学校の閉校記念誌の編集委員にもなりました。また、新しい小学校の詳細を決める委員にもなりました。
来年、2つの小学校が統合しても小規模校であることには変わりありません。幕を閉じる学校の節目の年に、「小さな」ことを強い誇りに思い、そしてこれまでの歴史に最大限の敬意を払いつつ、きちんと汗をかいていこうと思います。(代表 辻だいち)




2009年04月01日
『NPOグリーンウッド代表理事に就任 〜「カ行変格活用資質」を示す〜』

 2009年4月1日より、NPO法人グリーンウッド自然体験教育センターの代表理事に就任しました。遠く北海道より(出身は福井県ですが)大学卒業と同時に泰阜村に移住し、前身のグリーンウッド遊学センターに就職して17年目になります。右も左もわからない世間知らずの若者を、我慢強く育ててくれたかにさん(会長:梶さち子)、むさし(特別代表:村上忠明)、ぎっく(大越慶)や泰阜村の人々に、まずは心より感謝申し上げます。
 4月1日の辞令交付式では、15人の雇用スタッフを含む20人程度のスタッフに、辞令を交付しました。自分で交付するのは初めてのことです。その式の中でスタッフに示した方針を、ここでは紹介したいと思います。
NPOグリーンウッドの今年度の目標は、「教育の質の強化」と「経営基盤の強化」です。まずは前者について。かつてない不況が世界全体を覆う今こそ、まさに「学力とは何か」を問い直す時期がきています。事務局長としての最後のコラムでも記しましたが、これからの未来を生きる子ども達には、「個人が所有する学力」と同時に「他者との関係を豊かにする学力」を培わせるべきだと強く思います。この目標に向かい、諸事業を地道にそして力強く展開していきます。
 後者については、後日改めて記すことにします。
 この目標を達成するために、意識的に強化すべきテーマを掲げました。それは「多様性の共存」です。「みんな違って、みんないい」とはよく言われますが、「様々な違いを認め合う」ことを具体的に学ぶ実践やそれを可能にする仕組みを創ることは困難とも言われています。NPOグリーンウッドは、20数年間この困難さに真正面から向き合ってきた自負があります。「多様性の共存」を実現しようとすることが、自立・自律的な精神を生み出し、経営基盤の安定を含めて持続可能な団体運営につながります。これは、NPOグリーンウッドを支えていただいている泰阜村の持続性を高めることにも寄与することになると信じています。

 そして、スタッフに求める資質について、頭文字をとって「カ行変格活用資質」と名づけて示しました。
 「カ」は、「感謝」です。感謝の気持ちを忘れないでいたいものです。「ありがとう」の一言は、めぐりめぐって「ありがとう」と言われる結果を生むものです。要は、心のこもった挨拶を、親しく近しい人にはもちろんのこと多様な人々に対してできるかどうかの心持ちです。
 「キ」は、「気づく」です。相手の心持ちや体調に気づくこと、寄り合えば解決できそうな事象に気づくこと、隣の人の小さな声に気づくこと・・・。ささやかな気遣いや心配りが、気持ちの良い豊かな人間関係を創っていくものです。
 「ク」は「苦悩」です。苦労は買ってでもしろ、とは良く言われます。小さな山村で、仕事として教育活動を展開するには様々な苦しみがあるのは当然です。苦しみ悩んだ分だけ成長すると信じてがんばりたいものです。
 「ケ」は「謙虚」です。確かに今やNPOグリーンウッドは、全国的に有名な団体となりました。しかし、NPOグリーンウッドの23年間の歴史から学ぶとするならば、謙虚さを失ってはなりません。実るほど頭を垂れる稲穂かなです。
 「コ」は、「言葉遣い」です。気持ちが乱れると、言葉が乱れていきます。「気づく」ことができても、行動を起こす際の気遣いや心遣いの言葉が足りなければ、その気持ちが相手に伝わらないこともよくわることです。まずは自分の気持ちを丁寧な言葉にあらわそう、相手の気持ちに気づいてれをあらわそうとする言葉を待とう、そんなことを大事にしたいものです。
 以上、「カ行変格活用資質」を示しました。NPOグリーンウッドのスタッフがこれら「カ行変格活用資質」を忘れたり失いつつあることに気づいたならば、ぜひ厳しくご指摘下さい。今年度一年間、役職員一同よろしくお願い申し上げます。
 また、「事務局長だいちのコラム」が「代表だいちのコラム」に装い新た?になりましたので、今後もご笑覧いただければ幸いです。(代表 辻だいち)



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